「厄除け」「厄払い」「厄落とし」には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?また、これらの行事はいつまでに行うべきなのでしょうか?
寺社では、お参りやお守りなどの対策が用意されています。
ここでは、「厄除け」「厄払い」「厄落とし」の意味、方法、期間について紹介します。
厄除け・厄払い・厄落としの意味と方法
厄払い(厄祓い)
神社で厄を払うことを指します。神道では、穢れや厄を払うために神社で「厄払い」(厄祓い)が行われます。
厄除け
寺で厄を取り除くことを意味します。寺では「厄除け」として厄を避ける行事が行われます。
厄落とし
風習としての厄を落とす方法です。
厄払いと厄除けの違い
厄払いとは | 神社で厄を払うことを指します。神仏分離以前は、神社でも「厄除け」と呼ばれることがありました。神仏習合の歴史から、八幡神は「八幡大菩薩」とも呼ばれることがあります。 |
厄除けとは | 寺ではお祓いは行われないため、「厄除け」と呼ばれます。厄除けとは、厄を取り除くことを意味します。 |
厄払い・厄除けのやり方
正式には御祈祷や御祈願を受けますが、お参りするだけやお守りを購入するだけでも効果があります。
御祈祷・御祈願の流れ
1. 受付
予約は不要で、当日社務所や寺務所で受付します。
2. 待ち時間
通常30分以内ですが、初詣や大祭の日には長くなることがあります。
3. 料金
初穂料、玉串料、祈祷料として5千円~1万円が一般的です。
4. 祈祷・祈願
拝殿で集団で行われ、約20分で終了します。
お参りとお守り
初詣などで参拝し、「今年もお守りください」と祈るだけでも厄を払うことができます。また、厄除けのお守りを受けることも効果的です。
期間:いつまでに
厄払いと厄除けは、寺でも神社でもいつでも受けることができます。特に以下の時期には多くの人が訪れます。
厄除け大祭の時期
1. 正月期間
多くの寺社で厄除け大祭が行われます。
2. 旧正月や節分の頃
この時期にも厄除けの行事が多く行われます。
厄除け・厄払いは節分までに行うべき?
厄除けや厄払いは、節分までに行うべきだと言われることが多いですが、その理由は何でしょうか?
節分までに行う理由
旧暦(太陰太陽暦)では、新年の始まりとして1月1日と立春が重要視されていました。1月1日は月の満ち欠けで、立春は太陽の位置で決まります。平安時代には、大晦日に大祓、節分には追儺という厄神や厄鬼を払う儀式が行われていました。このため、旧年の厄を新年前に払う風習が生まれました。
現在でも、大晦日には神社で大祓の儀式が行われ、一般には初詣が行われます。そして、「立春」の前の日、「節分」に厄を払う風習が続いています。そのため、「節分までに厄払いをしよう」という考え方が広まりました。
多くの寺社では節分に厄除けの大祭が行われ、節分を基準にして厄年の年齢を数えることもあります。しかし、節分までにお参りしないと「間に合わない」というわけではありません。厄年に気付いたときや運勢が悪いと感じるときなど、いつでも厄払い・厄除けに行くことができます。
前厄や後厄もお参りすべき?
厄年は、年齢的に災厄に遭いやすい時期や社会的に重要な役割を担う時期とされています。前厄や後厄も含めて3年間は災厄に遭いやすいとされています。
前厄は厄に入る時期、後厄は厄が終わる時期とされていますが、神社本庁では特に前厄や後厄の定義はありません。寺社によっては前厄や後厄を設けないところもあります。厄年だけ祈祷を受け、前厄や後厄は参拝だけにする、または大厄(本厄)の年だけ祈祷を受けるなど、自分の気持ちや身近な人の思いに応じて参拝しましょう。
厄落としの風習
厄落としは、厄を落とす風習を指します。例えば、節分の豆まきは豆に厄を負わせて払うものです。また、節分の夜に四辻に豆やぞうり、お金などを置いて厄を落とす伝承もあります(愛知、兵庫、京都、奈良、愛媛、徳島など)。
出産と厄落とし
出産も厄落としとされています。厄年には人生や社会における役割を果たす「役年」という意味もあり、出産という大事な役割を果たすことが厄落としになると考えられています。
厄年の贈り物
歴史的な根拠はありませんが、厄除けのお札やお守りの代わりに贈り物(スカーフやネクタイなどの長いもの)をする習慣もあります。これらは厄年(本厄)のお正月に渡すのが良いとされています。
まとめ
厄払いは神社で、厄除けはお寺で行われます。厄落としは厄を落とす風習で、節分などに行われます。厄年は科学的ではありませんが、根拠がないとも言い切れません。最寄りの神社やお寺で御祈祷、祈願を受けたり、参拝やお守りを受け取りましょう。お参りの期間は初詣や厄除け大祭に合わせてもいいですし、混雑を避けるためにいつでもOKです。
良い日々が訪れますように!