年間を通じた土用の期間におすすめの食品一覧!

生活の知恵

土用におすすめの食品とは何か?

土用は、季節の移り変わりを示す伝統的な時期で、一年を通じて春から夏、夏から秋、秋から冬、冬から再び春へと季節が移る際に、人々は体調を崩しやすいとされています。

このような時期に、古来から人々は「土用の養生法」として栄養価の高い食品を取り入れて健康を保つ習慣がありました。

特に夏の土用の丑の日には鰻が有名ですが、それ以外にも土用期間中に適した食べ物が推奨されています。

今回は、土用に適した様々な食べ物に焦点を当てて解説します。

四季ごとの土用に適した食べ物紹介!

土用と聞くと、多くの方が夏の土用の丑の日に食べる鰻を思い浮かべることでしょう。鰻は栄養価が高く、夏の暑さを乗り切るのに役立つため、昔から広く愛されてきました。しかし、鰻だけでなく、土用の期間ごとにおすすめの食品があります。

この記事では、春の土用、夏の土用、秋の土用、そして冬の土用に最適な食べ物をそれぞれ紹介していきます。

春土用に推奨される食品

春の土用期間には、「い」で始まる食品や白色の食品が良いとされています。

「い」で始まる食品には以下のようなものがあります。

インゲン豆
イワシ
イモ(サツマイモなど)
イチゴ
イナリ寿司
イカ
イクラ
イヨカン
イセエビ
イチジク

一方、白色の食品には次のようなものが含まれます。

白米
白いパン
牛乳
ヨーグルト
大根
カブ
ホワイトアスパラガス

夏土用に適した食べ物

夏の土用には、「う」で始まる食品や黒色の食品を摂ると良いとされています。

「う」で始まる食品の例は以下の通りです。

ウナギ
梅干し
ウドン
ウリ
ウズラの卵
ウド(野菜)
ウニ
海ブドウ

また、黒色の食品には、以下のようなものがあります。

黒ゴマ
黒豆
ゴボウ
黒酢
コーヒー
ココア
ヒジキ

秋土用に推奨される食品

秋の土用期間には、「た」で始まる食品や青色の食品を取り入れることが望ましいと言われています。

「た」で始まる食品は以下のようなものです。

大根
玉ねぎ
たこ焼き
タイ焼き
たこ
たくあん
卵焼き

青色の食品には次のようなものが含まれます。

青魚
ブルーハワイ味のかき氷
チョコミント味のアイスクリーム
甘エビの青い卵
ブルーベリー

冬土用に適した食品

冬の土用には、「ひ」で始まる食品や赤色の食品を取り入れることが推奨されています。

「ひ」で始まる食品は以下の例があります。

ヒラメ
ヒジキ
干物
ヒラマサ
ヒヨコ豆
ヒキ肉
冷やし中華
冷や麦

赤い食品には、次のようなものがあります。

トマト
赤ピーマン
スイカ
イチゴ
ラズベリー
唐辛子
ラディッシュ
マグロ
リンゴ
サクランボ

土用の期間の定義

土用とは、各季節の始まりを示す立春、立夏、立秋、立冬の前の18~19日間をさします。立春、立夏、立秋、立冬は旧暦に基づく二十四節気の一部で、それぞれの季節の開始日を表しますが、現代の新暦ではあまり一般的ではありません。

春の土用

この期間は立夏の前18~19日間です。

夏の土用

夏の土用は立秋の前18~19日間を指します。

秋の土用

立冬の前18~19日間が秋の土用期間です。

冬の土用

冬の土用は立春の前の18~19日間を指します。

土用の由来と意味

土用は日本固有の雑節の一つで、季節の変わり目に設定された特別な期間です。この概念には陰陽五行説が取り入れられており、春は木、夏は火、秋は金、冬は水と各季節が元素に関連付けられています。しかし、これらには土の元素が含まれていません。

このため、各季節の変わり目に土の元素の期間を設けることでバランスを取り、この期間を土用と名付けました。具体的には、立春、立夏、立秋、立冬の前の期間が土用とされます。

「土旺用事」とも称される土用は、土の元素が活発になる時期を意味し、古くから土を掘るなどの行為が避けられていました。これには季節の変わり目に体調を崩さないよう、特に農作業からの休息を図るという意図がありました。

土用の丑の日の由来と意味

土用の丑の日とは、土用期間中にある丑の日を指します。かつては日付を表すのに十二支を用いていましたが、現在は数字の日付が一般的です。十二支は、日付だけでなく、月や方角、時間にも適用されていました。例えば、怪談話でしばしば言及される「丑三つ時」は、午前1時から3時の間にある丑の刻のうち、午前2時から2時30分を指します。

土用の丑の日は特に夏に知られており、この日に鰻を食べる習慣がよく知られています。しかし、春、秋、冬にも土用の期間は存在し、それぞれに丑の日があります。夏土用の丑の日が特に有名であるため、多くの人が土用と聞いて夏を想像するようになりました。

夏の土用の丑の日は、年によっては2回発生することがあり、その場合には「一の丑」と「二の丑」と区別して呼ばれます。

土用期間中のタブーとその由来

土用は陰陽道における土公神(どこうじん)によって守られている期間とされています。土公神は季節ごとに異なる場所に存在すると伝えられており、春は竈、夏は門、秋は井戸、冬は庭にいますが、土用の期間は土の中にいるとされています。このため、古くから土用の間に土を掘る行為は祟りが起こると考えられ、避けられてきました。

現代でも、建築業界では新築の基礎工事を土用の期間に避ける習慣が残っています(すでに工事が開始されていれば問題ないとされています)。これは、土用が季節の変わり目で体調を崩しやすい時期であるため、外で活動するよりは家で静かに過ごし体を休める方が良いとされるためです。

結婚や転職、引越しといった大きな生活の変化もこの期間は避けたほうが良いとされています。しかし、土に触れないわけにもいかない場合、間日(まび)を利用することが推奨されます。間日は土用の中で特定の日に設けられ、その日は土を扱っても安全とされています。

土用別の間日は以下の通りです。

春土用の間日 巳、午、酉の日
夏土用の間日 卯、辰、申の日
秋土用の間日 未、酉、亥の日
冬土用の間日 卯、巳、寅の日

土用の食事ガイドと注意事項

土用期間は、夏の土用の丑の日に鰻を食べる習慣が特に有名ですが、実は春、夏、秋、冬の各土用期間にもそれぞれ特におすすめの食べ物があります。土用の丑の日は土用期間中にある丑の日を指し、このように十二支が日付の代わりに使用されていた時代もありました。土用は季節の変わり目であり、体調を崩しやすい時期です。そのため、栄養豊富な食べ物を取り入れることで体力をつけ、新しい季節を健康的に迎えることが重要です。

また、土用は陰陽道における土公神の影響下にあるため、土をいじる作業や大きな生活の変更、例えば引越しなどは避けることが望ましいとされています。

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